PCI:どうしてロスに引っ越すことにしたんですか?
MT:それまでに家族でバケーションで来て気に入ってたし、サーフィン、スケートボード、ビーチボーイズにも憧れた。 それと、スタジオでのレコーディングでもその頃のロスは凄かったから。 ラリー・カールトンとかジェイ・グレイドンとか。 当時から、ロックスターになることよりも、スタジオミュージシャンに憧れてたんだ。 

PCI:ロスに来てすぐ仕事はあったんですか?
MT:いや、全く無かった。 知り合いも全くいなかったし。 あの頃は、かみさんと二人、厳しい生活だったよ。  ちょうど、1980年。 ボストンでは結構知られたギタリストだったけど、ロスではまったく知名度無かったんで。 結局、生活のため、しばらくタクシーの運転手をやったんだ。 今でもそうだと思うけど、ロスのタクシードライバーは俳優の卵とか歌手の卵とか、色々面白い連中がいるよ。 結局一年ほどタクシードライバーをやって生活したんだ。 

PCI:それは大変だったんですね。ギタリストとしての仕事を始めたきっかけは何だったんですか?
MT:ジョー・コッカーのバンドでギターを弾く話があり、その後、そこのベーシストが、CHERのバンドでギターを捜してると言う話を持ってきてくれ、リハーサルに行ったんだ。そこで使ってもらえることになり、彼女と一緒にラスベガス、ヨーロッパ、オーストラリアのツアーに参加することになった。彼女との仕事は一年くらいで終わったんだけど、このバンドのディレクターがTVショーの「FAME」出演の話を紹介してくれたんだよ。毎週一回の放送で、4年間僕を使ってくれた。毎週この番組でセッションがあり、ディーン・パークス、ポール・ジャクソンなどトップアーティストも参加して、とてもいい経験になったね。

PCI:話は替わりますけど、そこにある写真はクリントン元大統領とのツーショットですよね? 最近の物ですか?
MT:ああ、あれは去年の夏に、まだ彼が大統領だった時に、民主党主催のパーティーがあったんだけど、その時にBABYFACEが呼ばれて、僕も一緒に演奏したんだ。 小さな会場で60人くらいのパーティーだったんだけど、そこでクリントンがサックスを吹いて、一緒にセッションしたんだよ。 チャカ・カーンとかライオネル・リッチーも来てたね


PCI:クリントン氏のサックスはどうでしたか?
MT:悪くなかったよ。 トーンはなかなかの物だね。 彼と話した人間はみんな彼を好きになるねえ。 本当にナイスガイ。 考えてみれば、世界で最もパワーを持った人間とセッションできたなんて幸せだね。 

PCI:じゃ、話を元に戻して、テレビ出演の後はどんな音楽活動をされたんですか?
MT:その後も、仕事は少しづつしか無かったねえ。 1989年に、デビッド・フォスターと出会うまでは仕事がなくて、厳しい状況が続いた。 90年頃から色んなレコーディングにデビッドと参加する様になり、94年からBABYFACEとの仕事が始まり、いっぺんに色んな仕事が出来る様になったんだ。 そういう意味じゃロスに来てから、下積みに10年かかった。 

PCI:そのドアを開いてくれたのは、デビッド・フォスターだったんですね?
MT:そう。 彼との仕事が始まるまではデモテープをいろんな所に送ったり、自分のバンドで週末には色んなクラブで演奏したりしてたね。 後はいつも電話を待つ毎日。 デビッドと出会う前に、Animal Logicと仕事をすることが出来たのも大きなチャンスだった。 「ポリス」のStewart CopelandとStanley Clarkeと一緒に仕事ができたのは、2人の大ファンでもあったんで、感激。 ある時たまたま家にいたら、Ocean Way Studioにすぐ来てほしいっていう連絡がStewartからあったんだよ。 「Joe Walshが弾く予定だったけど、急に都合が悪くなったんだ。 出来るかい?」っていう誘い。 「ノープロブレム!」って言って、場所も近いしすぐ飛んで行ったんだ。 それで、無名のアーティストだった僕のプレイを気に入ってくれた訳。 これで僕のギタリストとしてのイメージが1ランク上がった感じだったね。 この時は、ほかの有名ギタリストもAnimal Logic のレコーディングに参加していて、Peter Framptonも来てたねえ。 そのうちデビッド・フォスターから連絡があり、ギタリストとして本格的に活動が始まった訳。 いつもロスにいたって言うのも良かったね。 ギタリストが必要な時いつでも飛んで行けたから。 その頃(90年頃)、デビッドはマイケル・ランドーやスティーブ・ルカサーもよく使ってたね。 デビッドのエンジニアが僕をたいへん気に入ってくれて、推薦してくれたんだ。 デビッドは80年代前半に大活躍し、86から88まではしばらく活動をしてない時期があったよね。 それで新たにプロデューサーとして活動し始めた時に、僕がタイミングよくここに居たわけさ。 90年頃からのデビッドのヒット作には僕がかならず参加しているという状況になった訳だ。  デビッドはみんなに尊敬されているプロデューサーだったんで、彼とずっと一緒にやっているということが僕のギタリストとしてのステータスを上げてくれたんだ。 

 
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